雄水「三木記念賞」受賞、山陽新聞に掲載

雄水「三木記念賞」受賞、山陽新聞に掲載

暑さも盛りの8月13日、山陽新聞朝刊に「三木記念賞」の受賞者発表があった。受賞は神崎宣武(かんざき のりたけ)さん、馬建鋒(まけんぼう)さんとともに津村雄水(つむらゆうすい)も含めて3人と報じられました。雄水は神楽面の面づくりと後進の指導に力を入れていましたが、神崎宣武さんも岡山備中神楽の書籍や実舞い講演などで度々登場される方で、両者の受賞は神楽関係者にとっても大いに励みとなることでしょう。

三木記念賞

三木記念賞は1968年に創設、地域の発展に貢献した個人・団体を顕彰する岡山県の賞。今回が49回目で11人と5団体の推薦から上記の3人に決定されたと記事にあります。

現在までに受賞された方々の中には、著名な彫刻家の平櫛田中や将棋の15世永世名人・大山康晴などが第4回・第11回に名前を連ねていらっしゃいます。文化部門の中には備前焼作家や備前刀刀匠、書家、洋画家、日本画家、木工芸家、彫刻家、陶芸家など多方面の作家が受賞していますが、いままでに「面打ち師」というのは登場していませんでした。

リオのオリンピックが現在開催中で盛り上がっていますが、オリンピックに参加できる種目が増減することは知られています。オリンピックで認定されていない特定の種目の選手は、スポーツの世界の祭典としての競う場を与えられていないともいえます。

実は、「神楽面」など口伝の技術継承を土台になりたつ「面」などは、「審査できる者がいない」という判断で美術的「創作のコンクール」や「作品展」などには「出品できない」あるいは「審査をしてもらえない」という「木彫り創作の作品」でもあったのです。

「評価をしてもらえない社会」の制度の中では「社会的指標」、つまり物差しや判断基準がなく文化の施設の「場」にそもそも登場できないという現実がありました。

今回の受賞で「備中神楽」の周りの人物達が社会的に評価され、2人も同時に受賞できたことは画期的なことと思っています。

まず、「評価される場」に立てるんだという土台を築いた大きな一歩のような気がします。これを機に、今後の民俗芸能の動向に大きな好影響があればいいですね。

管理人 津村 カツシ