「大蛇退治(おろちたいじ)」に出てくる神様です。
別名「八重垣能(やえがきののう)」ともいいいます。
素戔鳴尊(すさのうのみこと)は高天原(たかまがはら)より出雲の国に追放され、その移動途中、足名槌命(あしなづち)・手名槌命(てなづち)という両翁媼に出会います。
その時、八俣(やまた)の大蛇(おろち)に娘を毎年食われる嘆きの話を聞き、大蛇退治を引き受けることとなります。
戦略を考え、闘いに至っては大立ち回りを繰り広げ、ついに成敗を果たします。
その後、ひとり残っていた奇稲田姫(くしいなだひめ)を妻にもらい出雲の国を開く、という能の神話です。
備中神楽の代表的な演目で、素戔鳴尊と大蛇の大立ち回りは一度観れば忘れられない勇壮さがあります。「黒髪」の髭に「金眼」が光り、屈服を知らない荒武者のような表情が印象的です。